俺のモチベーション

介護の仕事は楽じゃない。
体力も気力も必要だし、想定外のことが毎日のように起きる。
正直、「辞めたい」と思う瞬間が一度もなかったと言えば嘘になる。
それでも俺がここまで続けてこれた理由はただひとつ。
高齢者のQOL(生活の質)を叶えられた瞬間が、何よりのモチベーションだからだ。
■ QOLを上げるって、特別なことじゃない
QOLと聞くと、
「大きな目標を達成すること?」
「すごいケアを提供すること?」
と思われがちだけど、実際はもっとシンプルだ。
✅ 今日いつもより笑顔が増えた
✅ 食事が少し多く食べられた
✅ できなかったことが、ほんの少しできた
✅ その人が好きな話ができた
✅ “自分らしさ”を取り戻した瞬間があった
こんな小さな変化が、確かに人生の質を動かしている。
そしてその変化を一番近くで見られるのが、介護の仕事だ。
■ 「あなたのおかげで助かったよ」その一言で全てが報われる
介護をしていると、
思い通りにいかないことも多い。
こちらの優しさが伝わらない日もあるし、
忙しくても笑顔を忘れちゃいけない時もある。
でもね、
「ありがとう」「助かったよ」
たったその一言で、疲れなんてどこかへ消える。
俺はその瞬間を知っているから、
どれだけ大変でも続けられる。
■ 人生の最終章に寄り添うという責任
高齢者の人生は長い。
苦労も喜びも、積み重ねてきた時間の重みも、
俺たち介護職には計り知れない。
でも、その長い人生の“最終章”に
少しでも関われることは、本当に尊い仕事だと思う。
✅ 最後の旅行に付き添う
✅ 好きな食べ物を一緒に味わう
✅ 思い出話を聞く
✅ 最期まで「その人らしさ」を守る
こうした瞬間を一緒に作れるのが、介護という仕事の特権だ。
■ QOLを叶える仕事は、俺の生きがい
介護の仕事は「ただの仕事」ではない。
もちろん給料をもらって働いているけれど、
それよりも大きいのは、
人の人生に意味を生み出せるという実感だ。
「ここに来て良かった」
「あなたがいてくれて良かった」
そう言ってもらえるために、
俺は今日も現場に立っている。
■ 最後に──介護は“誰かの人生を照らす仕事”
介護業界は、まだまだ課題も多いし、誤解されることも多い。
だけど、それでも俺は胸を張って言いたい。
俺が介護を続ける理由は、高齢者のQOLを叶えることが、俺のモチベーションだから。
介護は尊い。
介護は価値がある。
介護は未来を変える力がある。
そして、その一歩を踏み出すのは、
今日あなたが誰かに向けた、たったひとつの優しさだ。
2025.11.01
